【主要媒体をまとめた無料資料付き】主なWeb広告の種類や料金形態を徹底解説! 【主要媒体をまとめた無料資料付き】主なWeb広告の種類や料金形態を徹底解説!

社会のデジタル化やスマートフォンの普及にともなって、注目度を増しているWeb広告。Web広告には多くの種類があり、それぞれ特徴やメリットが異なります。自社の目的やターゲットに合わないWeb広告を選択すると、「広告費をかけたのに成果が出ない」という事態になりかねません。

そこで本記事では、Web広告の種類や特徴、注意点を解説します。

Web広告とは

Web広告とはインターネット上の媒体に掲載される広告全般のことです。インターネット広告、デジタル広告、オンライン広告と呼ばれることもあります。テレビやラジオ、新聞、雑誌といった従来型のマス広告に対して、インターネット上の広告はすべてWeb広告です。

社会のデジタル化にともなって、Web広告は市場規模を拡大し続けています。株式会社電通が発表した「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、日本の総広告費は過去最高の7兆1,021億円(前年比104.4%)でした。そのうちインターネット広告費は全体の43.5%を占め、3兆912億円(前年比114.3%)となっています。

インターネット広告費からインターネット広告制作費と物販系ECプラットフォーム広告費を除いた「インターネット広告媒体費」は、2兆4,801億円(前年比115.0%)となりました。2023年も堅調に推移しており、2兆7,908億円(前年比112.5%)に増加すると予測されています。Web広告を採用する企業も増えており、今後ますます拡大していくことが見込まれます。(※)

※参考: 株式会社電通. 「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」

Web広告の導入が進んでいる理由

Web広告が登場したのは、マス広告(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)が主流だった1990年代のこと。その後順調に拡大を続け、2021年にはWeb広告費の総計がマスコミ4媒体の広告費を上回りました

Web広告の導入が進む背景に、インターネットの普及があります。総務省「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」によれば、個人の年齢階層別のインターネット利用率は、6歳から69歳までの各階層で8割を超えています。加えて、従来型のマス広告は多額のコストがかかる上、細かくターゲティングできない、効果が測定しにくいなどの課題がありました。

詳細は後述しますが、Web広告ではこのような課題を解決できるため、多くの企業で導入が進んでいます。

※参考: 総務省. 「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」

※参考: ウェブ電通報. 【「2021年 日本の広告費」解説-広告市場は大きく回復。インターネット広告費がマスコミ四媒体の総計を初めて上回る】

Web広告のメリット

市場規模が拡大しているWeb広告にはどのようなメリットがあるのでしょうか。マス広告と比較しながら見ていきましょう。

ターゲットの興味・関心にあわせた配信ができる

Web広告はターゲットの興味・関心にあわせて配信できるのが大きなメリットです。スマートフォンやパソコンの普及によって、「大勢が一緒に同じものを楽しむ」という時代ではなくなった今、消費者の行動も多様化しています。

従来のマス広告は大勢のユーザーにリーチできる反面、ターゲットではない人にも情報が届くため、費用対効果が低くなりやすいことが課題でした。どれほど多くの人に見てもらえても、ターゲットとあまりにかけ離れていては購買行動につながりません。

一方Web広告は年齢や性別、地域などでターゲティングが可能です。ターゲットをしぼると購買意欲の高いユーザーに情報を届けられるため、効率が高まり広告費のムダを削減できます。

効果測定・改善をスピーディーに行える

Web広告は効果の測定がしやすいため、スピーディーに改善を繰り返して効果につなげやすいというメリットがあります。マス広告には、効果の測定が難しいという課題がありました。例えばテレビCMを出稿した商品が売れた場合でも、CMそのものにどれほどの効果があったかを数値化するのが難しかったです。

一方Web広告には、広告表示回数やクリック数、コンバージョン数などの数値を簡単に確認できるツールがあります。ユーザーの反応をすぐに確認できるため、効果が出ていない広告が一目瞭然です。さらにCMや雑誌広告などと違い、広告出稿中でも修正や変更ができる点もメリットです。広告文や画像クリエイティブを柔軟に変更できるため、よりユーザーに刺さる広告へ改善できます。

少額の費用から始められる

予算が少なくても始められるのもWeb広告のメリットです。一般的に、マス広告は多額の制作費がかかります。例えばテレビCMであれば、制作費の他に放映費も必要です。タレントのキャスティング料を含めると数千万円かかることも珍しくありません。また複数の媒体に広告を掲載する場合、媒体ごとに費用が発生します。

それに比べて、Web広告は少ない予算で運用を始められます。費用が発生する仕組みや相場は種類や媒体によってさまざまですが、月額数千円からでも始められるのは大きなメリットです。課金方式によっては、出稿してもユーザーにクリックされるまでは費用がかからないWeb広告もあります。加えて、出稿前に予算を設定できるため、まずは少額から始めて徐々に拡大していくことも可能です。

Web広告のデメリット・注意点

メリットの多いWeb広告ですが、デメリットもあります。ここでは、始める前に知っておきたいWeb広告のデメリットや注意点をチェックしておきましょう。

キーワード選びには戦略性が求められる

Web広告を成果につなげるためには、正しい戦略に基づいて運用する必要があります。特にキーワード選びは非常に重要です。競合の多いキーワード(ビッグワード)は、1クリックあたりにかかる費用が高額になります。

競合の多い業界でWeb広告を出稿する場合、キーワードによっては想定以上に広告費が膨れ上がる可能性があります。戦略のないままキーワードを選んで出稿すると、効果が出ないのに広告費だけがかさむ結果にもなりかねません。

対応として、配信キーワードを見直してクリック単価を下げたり、競合の少ないキーワードで経験を積んでからビッグワードに出稿したりする方法があります。いずれにしても、Web広告運用担当者は知識の習得と向上を目指す必要があります。

成果を出すには深い知見が必要となる

Web広告で成果を出すには、広告運用についてだけでなく、マーケティングの知見や分析力も必要です。Web広告運用担当者には、配信した広告を多角的にとらえ、解析データを見ながら改善を繰り返していくことが求められます。そのためには、現状の問題点は何か、目標達成に向けて何をすべきか分析するスキルが欠かせません。

Web広告の運用を自社で行う場合、担当者は専門用語や解析ツールの使い方を身につけるとともに、分析力のベースとなる「仮設思考力」を向上させる必要があります。仮設思考とは、知識を活かして物事の先を見通し、仮説を立てて検証していく思考方法です。Web広告運用担当者は、仮説を立てて実践を繰り返しながら分析力を磨くことが求められます。

その他、ユーザーのニーズに合った効果的なWeb広告を企画したり、適切に予算配分したりするスキルも必要です。Web広告運用担当者として実践を積むと同時に、セミナーや書籍などでマーケティング全般について学ぶ必要もあるでしょう。

Web広告で効率的に成果を出したいなら、ジオコードの運用代行がおすすめ

Web運用には専門的な知識やスキルが必要です。社内に広告運用の経験者がいない、人材を育成する時間がないなどの理由で、自社で運用するのが難しいケースもあるのではないでしょうか。

「Web広告を始めてみたいけれど、自社だけでは難しい」という場合は、ぜひジオコードにご相談ください。ジオコードは14年以上のWeb広告運用実績を持つWebマーケティング会社です。これまで運用した累計アカウント数は2,120件を超え、経験に裏付けられたノウハウを持っています。

また、Google社が世界各国で高い成果を上げた広告代理店を認定するプログラムにて「2023 Premier Partner」を付与された他、Yahoo!JAPAN「広告運用認定パートナー」に認定されるなど、数々の受賞実績があります。取扱広告媒体はリスティング広告やSNS広告、ネイティブ広告(インフィード広告)、動画広告、アフィリエイト広告、各種DSP広告などWeb広告全般です。確かな実績と豊富な経験を活かしてお客様にぴったりのプランをご提案します。まずはお気軽に「無料調査」をご利用ください。

Web広告の種類

Web広告には主に以下の13種類があります。

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • アドネットワーク広告・DSP
  • SNS広告
  • リターゲティング広告
  • 純広告
  • アフィリエイト広告
  • 記事広告・タイアップ広告
  • ネイティブ広告
  • デジタル音声広告
  • 動画広告・YouTube広告
  • リワード広告
  • メール広告

これほど種類が多いと、「どの広告が自社に合っているのか分からない」という方もいるかもしれません。Web広告の種類ごとの特徴をつかむには、「誰に向けての広告か」を考えるのが重要です。

マーケティング業界では、ターゲット層を4段階の属性に分類する考えが一般的です。

  • 無関心層:自社の商品やサービスに興味がなく必要性もない
  • 潜在層:明確ではないもののニーズはあり、自社の商品・サービスでその欲求を満たせる
  • 顕在層:自社の扱うジャンルへの興味関心が高く、ニーズを満たせる商品やサービスを具体的に比較検討している
  • 顧客層:すでに自社の商品・サービスを利用したことがある

Web広告を検討する際は、自社がどの層に向けてアピールしたいのかを考慮しましょう。それでは、13種類のWeb広告をそれぞれ紹介します。

リスティング広告

適したターゲット層顕在層
課金形式クリック課金
特徴・顕在層にアプローチでき、成果につながりやすい・少額で始められる・潜在層へはリーチしにくい

リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト形式の広告です。検索連動型広告とも呼ばれています。

結果画面の上部や下部に「広告」「スポンサー」と表示されるのがリスティング広告です。検索キーワードを指定して出稿し、ユーザーがそのキーワードを検索すると検索結果に広告が表示されます。広告がクリックされたときに初めて費用が発生する「クリック課金方式」になっているため、出稿するだけでは料金がかかりません。

ユーザーは、欲しいものややりたいことがある程度はっきりしている状態で検索キーワードを入力します。例えば「地域名 美容室」と検索する人は、髪型を変えたいという希望があり、訪れる美容室を比較検討しているユーザー(顕在層)です。このように、リスティング広告は顕在層に向けて配信するため、商品の購入やサービスの申し込みにつながりやすいのがメリットです。

ただし、リスティング広告は自社の商品やサービスを知らない「潜在層」や「無関心層」のユーザーには広告を届けられません。加えて、競合が多く人気の高い「ビッグワード」に出稿する場合は、広告費が高額になりやすい点にも注意が必要です。

ディスプレイ広告

適したターゲット層潜在層・顕在層
課金形式・クリック課金・インプレッション課金
特徴・動画や写真でビジュアル訴求できる・自社商品を知らない潜在層へアプローチできる

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告です。テキストの他、画像や動画を使ってユーザーへ視覚的にアプローチできます。テキストだけの広告に比べて、商品やサービスの魅力が伝わりやすい点がメリットです。

ビジュアルでユーザーの興味を引きやすいため、自社の商品やサービスを知らない潜在層へのアプローチも見込めます。顕在層から潜在層まで幅広いユーザーがターゲットになるので、主にブランディングや商品の認知度アップを狙う企業におすすめです。

ただし、ディスプレイ広告は購買意欲の低いユーザーにも配信するため、短期的にはリスティング広告に比べるとコンバージョンにつながりにくいといわれています。

アドネットワーク広告・DSP

【アドネットワーク広告】

適したターゲット層潜在層・顕在層
課金形式・クリック課金・インプレッション課金
特徴・一括で運用できるため効率が良い・効果測定データをまとめて見られる・出稿する媒体は選べない

【DSP】

適したターゲット層潜在層・顕在層
課金形式インプレッション課金
特徴・複数のアドネットワーク広告の配信を一括管理できる・ターゲティングができる・初期費用がかかる

アドネットワーク広告とは、複数のメディア(Webサイトやブログ、ソーシャルメディア等)からなる「広告配信ネットワーク」を使って、それらの媒体にまとめて広告を配信する仕組みです。多数のWebサイトやブログをひとつの広告媒体として広告を出稿できるため、業務の効率化が見込めます。

なお、アドネットワークの中でどの広告枠に出稿するかという指定はできません。代表的なアドネットワークに、GDN(Googleディスプレイネットワーク)やYDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告/旧YDN)があります。

DSP(Demand-Side Platform)とは、広告の効果を最適化するための、広告主向けのツールです。DSPを使えば複数のアドネットワークや個別媒体を一括で管理でき、入札単価や広告配信の調整を半自動的に行えます。ユーザーをある程度絞り、興味関心の高い層へ向けて広告配信できるというメリットがあります。ただし、広告費とは別にDSPの利用料が発生します。

SNS広告

適したターゲット層無関心層・潜在層・顕在層・顧客層
課金形式クリック課金インプレッション課金エンゲージメント課金
特徴・ユーザーに違和感なく受け入れられやすい・ターゲティングの精度が高い・少額の費用で始められる

InstagramやX(旧Twitter)、TiKTok、LINEなどに配信される広告をSNS広告といいます。タイムラインやトークリストにさりげなく広告を配信できるので、ユーザーから受け入れられやすいのがメリットです。

ターゲティングの精度が高く、ユーザーを属性で絞ることはもちろん、「いいね!」などの特定のアクションをしたときにだけ広告を配信することもできます。ユーザー同士で拡散されやすいため、広告主が直接アプローチしにくい層にも届けられるのもメリットでしょう。

ただし、ユーザーの年齢層やライフスタイルなどによって使われるSNSは異なるため、出稿先を見極めなければ成果につながりにくいことがあります。また、炎上することもあるため、不適切な表現や規約違反がないように注意しなければなりません。

万一炎上してしまうと、自社のイメージを大きく損なってしまいます。配信内容をダブルチェックしたり、プラットフォームごとの規約を定期的に確認したりと、炎上を防ぐ対策をしましょう。

リターゲティング広告

適したターゲット層顕在層
課金形式・クリック課金・インプレッション課金
特徴・自社サイトへの再訪を狙える・コンバージョンにつながりやすい

リターゲティング広告とは、自社のWebサイトに訪問したことがあるユーザーに対し、一定期間後に広告を配信できる仕組みです。追跡型広告またはリマーケティング広告とも呼ばれます。自社サイトを訪問したユーザーが別のサイトを見たときに、自社の商品やサービスの広告を再び表示させられます。

自社の商品やサービスに興味・関心のあるユーザーに絞ってアプローチできるため、潜在層に広告を配信するよりも、購入や申し込みにつながりやすいといわれています。広告費がムダになりにくい反面、同じユーザーに繰り返し広告を配信するため、場合によっては嫌がられる可能性もあります。

また、リターゲティング広告は自社サイトに訪問したことがある人が対象なので、商品やサービスをまだ知らない潜在層や無関心層へのアプローチには適していません。

純広告

適したターゲット層無関心層・潜在層・顕在層
課金形式保証型課金(期間保証、クリック保証、成果保証などさまざま)
特徴・決められた位置に広告を掲載できる・幅広い層のユーザーにアプローチできる・出稿後はクリエイティブの修正・変更ができない

純広告とは、メディアの広告枠を一定期間買い取って広告を表示させる広告形態です。代表的なものに、バナー広告やタイアップ広告などがあります。多くの人が訪問するメディアに広告を配信すれば、幅広い潜在層へのアプローチが可能です。

例えばお菓子メーカーでは、自社のターゲット層がよく閲覧する、スイーツ情報サイトの広告枠を一定期間買い取れば、多くのターゲットに見てもらえるでしょう。メディアを通して幅広い層のユーザーにアプローチできるため、無関心層から顕在層までの認知拡大に有効です。

ただし、純広告は出稿費用が比較的高く、出稿後にクリエイティブの修正・変更ができません。また無関心層や潜在層のユーザーは購入や申し込みなどの行動を起こしにくいため、短期間ではなかなかコンバージョンにつながりません。

アフィリエイト広告

適したターゲット層顕在層・潜在層・無関心層
課金形式成果報酬型
特徴・売上につながりやすい・費用対効果が高い・成果が出るまで時間がかかりがち

アフィリエイト広告とは、主にアフィリエイターが運営するWebサイトやSNSに広告を設置してもらい、コンバージョンに至った場合に報酬を支払う仕組みです。広告はASPを通じて出稿し、あらかじめ設定したコンバージョン(会員登録、資料請求、購入など)に至ったときにだけ広告費が発生します。特定の成果が出るまで広告費が発生しないため、費用対効果が高いのがメリットです。

アフィリエイト広告は主に顕在層へ向けての施策ですが、キーワードやアフィリエイターによっては潜在層や無関心層へもアプローチできます。表示形式はバナー原稿またはテキスト原稿ですが、アフィリエイトサイトによって表現や訴求が多彩です。

ただし、広告を掲載される保証はなく、イメージどおりの媒体には掲載されないケースも少なくありません。SEO対策で上位表示を狙う場合は、成果が出るまである程度の時間がかかります。

記事広告・タイアップ広告

適したターゲット層無関心層・潜在層
課金形式インプレッション課金
特徴・読み物としてユーザーに受け入れられやすい・自然な流れで商品やサービスを紹介できる・媒体のブランド力を利用できる

記事広告はタイアップ広告とも呼ばれ、Webメディア内に配信する記事型の広告を指します。メディアとタイアップして自社の商品やサービスをPRできます。通常の記事と区別するために、「PR」「広告」「AD」などの表記が必要です。

主に体験談やお役立ち情報などが多く、読み物として自然な流れで商品やサービスを紹介できます。メディアの知名度やブランド力を利用して無関心層や潜在層にアプローチでき、ユーザーに受け入れられやすいのがメリットです。純広告に比べて情報量が多いため、商品やサービスについてより深く知ってもらえます。

ただし、記事作成には取材や撮影が必要なことも多く、費用は高額になりがちです。また記事制作の前にもゴール設定やメディア選定、企画作成・選定など工程が多いため、完成まである程度の時間がかかります。

ネイティブ広告

適したターゲット層無関心層・潜在層
課金形式・クリック課金・インプレッション課金
特徴・広告っぽさがなく自然である・ユーザーにストレスを与えにくい・質の高い広告を制作する必要がある

ネイティブ広告とは、Webメディア内に一般のコンテンツと同じ体裁で配置される広告です。通常のコンテンツと見た目が似ているため、自然な形で違和感なく表示されます。明確な定義はありませんが、主にキュレーションメディアやニュースメディア、SNSなどに表示されます。いわゆる「広告っぽさ」が少ないため、サイトのデザイン性を損ねず、ユーザーにストレスを与えにくいのがメリットです。

ネイティブ広告は主に潜在層へアプローチする広告手法です。WebメディアやSNSに自然な形で広告を配信でき、自社製品やサービスの認知拡大を目指せます。

一方で、通常のコンテンツと区別しにくいため、誤クリックを誘発しやすい点はデメリットでしょう。また、広告自体のデザインや内容の質も求められるため、制作にはコストや労力が必要です。

デジタル音声広告

適したターゲット層無関心層・潜在層
課金形式広告が聴かれると費用が発生
特徴・ユーザーに受け入れられやすい・従来のラジオと違ってターゲティングができる・リアルタイムではないユーザーにも聴いてもらえる

デジタル音声広告(オーディオアド)とは、radikoやSpotify、Voicyに代表される「デジタル音声メディア」に出稿する広告です。インターネットラジオや音楽配信サービスの躍進にともなってデジタル音声広告市場も拡大しつつあり、注目度を増しています。

従来のラジオ広告は番組を聴いているユーザー全員に配信する仕組みでしたが、デジタル音声広告はターゲティングが可能です。課金の形式は広告枠に支払う方式の他に、聴いたユーザーの数に応じて費用が発生するパターンもあります。

視覚に訴える一般的なWeb広告とは違い、デジタル音声広告は聞き流せるため、ユーザーに受け入れられやすいのがメリットです。スキップ機能のない音声アプリが多く、広告を確実に聴いてもらえる点も魅力でしょう。

デジタル音声広告が適しているターゲット層は、無関心層や潜在層です。会社名や商品・サービス名の認知度を高めたい企業におすすめです。

動画広告・YouTube広告

適したターゲット層無関心層・潜在層
課金形式・CPV(Cost Per View)課金・CPM(Cost Per Mille)課金・CPC(Cost Per Click)課金
特徴・届けられる情報量が多い・視覚と聴覚に訴えるため記憶に残りやすい・潜在層へアプローチできる

動画広告とは、動画による広告を配信する形式です。YouTube広告も動画広告に含まれます。視覚と聴覚に同時に訴えかけられるため、テキストや静止画像による広告に比べて情報を伝えやすいのが特徴です。

商品やサービスそのものの魅力はもちろん、ブランドストーリーや企業の思いなどを直感的に伝えられます。動画広告をうまく使うことで、ユーザーの共感を得たりファンを増やしたりできる点も魅力です。

課金形式は主に3通りです。

  • 再生回数に応じて課金されるCPV(Cost Per View)課金
  • 広告表示数に応じて課金されるCPM(Cost Per Mille)課金
  • 広告のリンク先がクリックされた回数に応じて課金されるCPC(Cost Per Click)課金

他のWeb広告に比べてユーザーの記憶に残りやすく、ブランディングや認知拡大を目指す企業に向いています。ただし、制作にコストと時間がかかることや、動画の品質によってはユーザーからの印象が悪くなる可能性がある点には注意が必要です。

リワード広告

適したターゲット層無関心層・潜在層
課金形式・インストール成果型・成果報酬型
特徴・短期間で認知拡大を狙える・ユーザーにもメリットがある

リワード広告とは、あらかじめ設定した行動(動画視聴、アプリダウンロード、商品購入など)をユーザーが起こしたときに報酬が発生する広告です。リワードとは「報酬」を意味し、ユーザーにもメリットがあるのが特徴です。主にスマホユーザー向けの広告に使われます。

具体的には、ゲームやマンガなどのスマホアプリ内で動画を視聴するとポイントがもらえるといったイメージです。成果報酬型のため、アフィリエイト広告の一種に分類されることもあります。費用が発生するのは成果が出たときのみなので、他のWeb広告と比較して費用対効果に優れています。

広告は、主に30秒以内の短い動画を利用したものです。ユーザーは報酬の獲得を目的として視聴するため途中で離脱されにくく、短期間で認知拡大を目指す企業に適しています。ただし、動画の制作にはコストがかかることや、ユーザーの継続率は低くなりがちな点には注意が必要です。

メール広告

適したターゲット層顕在層・顧客層
課金形式・配信課金・クリック課金
特徴・伝えられる情報量が多い・ターゲティングができる・コンバージョンにつながりやすい

メール広告とは、メールを使った広告のことです。メルマガの広告枠に掲載する広告の他、メール全体を使ったダイレクトメール広告などがあります。すでに会員になっている、購入実績があるなど、接点のあるユーザーに向けた施策です。既存顧客に別の商品を紹介したり、リピートを促したりしたい企業におすすめです。配信数によって広告料が決まる「配信課金」の他、クリック課金方式もあります。

一度に多くの情報を伝えられることや、コンバージョンにつながりやすい点がメリットです。また、テキスト形式であればそれほど工数がかからないため、急なイベントなどの際にも短期間で出稿できます。ただし、配信しても開封されない可能性があるため、件名や内容は吟味する必要があるでしょう。

Web広告の料金形態・課金方式のまとめ

すでに説明したように、Web広告の種類ごとに課金方式は異なります。7つの課金方式と課金されるタイミング、主なWeb広告の種類をまとめてチェックしておきましょう。

課金方式課金されるタイミング主なWeb広告の種類
クリック課金型(CPC)広告がクリックされた時点で課金されるリスティング広告・ディスプレイ広告
インプレッション課金型(CPM)広告が表示されるたびに課金されるディスプレイ広告・SNS広告
成果報酬型(PPA)あらかじめ設定した成果(商品購入、問合せなど)に応じて課金されるアフィリエイト広告
動画視聴型(CPV)動画がある程度視聴されると課金される動画広告・SNS広告
エンゲージメント課金型広告に対してユーザーが行動(SNSでのシェア・いいね・添付画像のクリック・返信など)を起こすと課金されるSNS広告
期間保証型広告の掲載期間に応じて金額が決まる記事広告
掲載保証型掲載される媒体によって金額が決まる記事広告・メール広告

成果をあげるWeb広告運用のコツ

Web広告は、出稿すれば必ず成果につながるものではありません。広告費が無駄にならないように、成果をあげるためのコツを知っておきましょう。ここでは、Web広告運用のコツを4つ紹介します。

運用の目的を明らかにする

Web広告を始める前に、運用の目的を明確にしましょう。目的とは、「何のために広告を出すのか」ということです。例えば「自社の商品・サービスの認知を広げたい」「新規顧客を獲得したい」のように目的を設定しましょう。

運用の目的によってターゲット層が異なるため、有効なWeb広告施策も変わってきます。例えば運用の目的が認知拡大であれば、ターゲットは自社の商品・サービスをまだ知らない人です。潜在層や無関心層へアプローチできるSNS広告やディスプレイ広告、動画広告、純広告などを検討すべきでしょう。

また運用の目的が商品購入の場合は、自社の商品・サービスをすでに知っていて、購入を検討している段階の顕在層がターゲットになります。このような場合、コンバージョンにつながりやすいリスティング広告やリターゲティング広告が適しています。

何のためにWeb広告を利用するのか、目的がはっきりすれば出稿すべき広告の種類が分かるため、効果につながりやすくなります。

ターゲットに適した媒体で運用する

Web広告は、ターゲットに適した媒体で運用することが重要です。まずはターゲット層を明確にし、ユーザーの具体的なイメージを掘り下げていきましょう。性別や年齢、地域だけではなく、趣味や悩みなども含めて具体的なユーザー像を設定します。

広告配信媒体は、ターゲットとなるユーザー像がよく使うかどうかが選定のポイントです。配信媒体のユーザー層と、広告のターゲット層が一致しているかどうかを確認しましょう。

例えば40~50代のビジネスパーソンに向けての広告なら、ユーザーのボリュームゾーンが30~50代であるFacebookでの配信が適しています。10代~20代のユーザーが多いTikTokに広告を出稿しても、広告費に見合う成果は得られないでしょう。

Web広告を成果につなげるためには、自社の商品・サービスを効果的にアピールできる場所はどこかを考えるのが大切です。

ターゲットを軸にクリエイティブを制作する

広告に使う動画や画像などのクリエイティブは、ターゲットを軸に制作しましょう。ターゲット目線で制作することが、「刺さる」広告につながります。ターゲットとなるユーザーの持つ悩みや課題、欲求は何かを細部まで想像し、どのような訴求が有効かという仮説を立てましょう。

ユーザーの思考や行動をイメージするには、顧客への調査やヒアリングに加え、SNSでリサーチしたり、身近な知人・友人の行動を想定したりするのも一つの手です。

ターゲットに対する有効な訴求の仮説が立ったら、その訴求軸ごとに複数のクリエイティブを制作します。効果検証と修正を繰り返しながら、効果的なクリエイティブを見つけていきましょう。

定期的に効果測定を行い、PDCAサイクルを回していく

Web広告は出稿して終わりではありません。成功につなげるためには定期的に効果を測定し、PDCAサイクルを回すことが大切です。

広告におけるPDCAサイクルとは以下のようなイメージです。

  • Plan(計画)・・・明確な目標を設定する
  • Do(実行)・・・広告出稿
  • Check(効果検証)・・・配信の結果を測定・分析する
  • Action(改善)・・・広告を修正・調整して改善につなげる

広告出稿後の効果測定では、売上、クリック率(CTR)、クリック単価(CPC)、コンバージョン率(CVR)などの重要な指標をチェックするとともに、広告出稿前と比較します。効果の程度を把握した上で、改善点や追加で検討すべき施策を洗い出し、具体的な改善策を設計していきましょう。

Web広告を使い分けて、コストパフォーマンスに優れた運用をしよう

Web広告には多くの種類があり、それぞれ特徴や課金方法、適したターゲットなどは違います。成果につなげるためには自社の目的を明確にし、ターゲットに合った種類の広告を選びましょう。

ただし、Web広告で効果を出すには、戦略に基づいて入念に準備をする必要があります。加えて、Web広告やマーケティング全般の知識も必要です。自社に合った広告の種類が分からない、今運用している広告で成果が出ていないという方もいるのではないでしょうか。

Web広告の使い分けについて悩みがあるなら、ジオコードが作成した「Web広告の種類辞典」をご利用ください。主要なWeb広告の特徴、おすすめの商材、活用例などを分かりやすく解説しています。Web広告それぞれのメリットやデメリットを把握できれば、自社に最適な広告をイメージしやすくなります。ぜひお気軽にダウンロードください。

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